08.着色について
8-6.着色剤の種類
8-5項にて色剤について解説いたしましたが、実際に透明な塗料に色剤を加える際に、染料や顔料をそのまま添加すると溶解不良や分散不良になります。そのため、容易に添加できるように、あらかじめ色剤を溶解や分散したものをステイン「着色剤」といい、色剤や合わせる塗料ごと、また、用途に合わせて数多くのステインがあります。
種類 | 材料 | ||
---|---|---|---|
素地着色(木地着色) | 染料系着色剤 | 水性ステイン | 酸性または直接染料を主体とした水溶性ステイン |
油性ステイン | 油可溶性染料を石油系有機溶剤に溶かしたもので、3%程度のゴールドサイズなどが入ったもの | ||
アルコールステイン | 酸性染料をアルコール系溶剤に溶かしたもの | ||
NGRステイン | 酸性塗料を主体とする特殊なアルコールステイン | ||
万能ステイン | 酸性染料や含金酸性染料にメタノールを含まない有機溶剤(エステル・ケトン系)に溶解したもの | ||
顔料系着色剤 | 水性ステイン | 微粒子顔料を水に分解させたステイン | |
油性ステイン | 微粒子顔料を石油系溶剤に分散させたもので、乾性油・油性ワニスを混合したもの | ||
アルコールステイン | 微粒子顔料をアルコール系溶剤に分散させたもの | ||
万能ステイン | 微粒子顔料を有機溶剤(主としてエステル・ケトン系)に分散させたもの | ||
目止め着色剤 | 水性目止め剤 | との粉と水を練り合わせた、との粉目止め剤に各種水性着色剤を混合させたもの | |
油性目止め剤 | 硫酸バリウム・シリカ・タルク等の体質顔料とボイル油や油ワニスを加えて、テレピン油か塗料用シンナーで希釈したもの | ||
溶剤系目止め剤 | シリカやタルク等の体質顔料と合成樹脂(ポリエステル樹脂・アルキッド樹脂)からなる目止め剤に染料・顔料系万能ステインを混合したもの | ||
化学薬品着色剤 | アンモニア、酸、アルカリ、中性金属塩等の薬品。 例えば、過マンガン酸カリ、重クロム酸カリ、木酢酸鉄、硫酸鉄などがある。 |
||
塗膜着色 | ステインシール | NGRステインなどに少量の樹脂又は、塗料を配合したもの | |
トーナー | シーラーステイン | 各塗料系の下地塗料(ウッドシーラーなど)に染料・顔料系のステインを混合したもの | |
カラークリヤー | 各塗料系のクリヤー(艶あり)・フラット(艶消し塗料)に染料・顔料系ステインを混合したもの | ||
シェーディングステイン | 染料・顔料系着色剤を塗料の中に混入したもの | ||
グレージングステイン | 一種のオイルベース・ピグメントワイピングステインで、下塗り後に行う |