11.塗装の問題と対策
11-1.塗装全般における問題と対策方法
問題 | 原因 | 防止方法 |
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色分かれ | ①一度に厚塗りをした場合 ②薄めすぎた場合 ③顔料の分散状態が悪い場合 |
①適度な厚さに塗る ②あまり薄めすぎないこと ③塗料を変更する |
リフティング (しわがよる) |
①異なったタイプの塗料の組み合わせ ②下地に耐溶剤性のない塗料を塗装した場合 ③下地が生乾きの場合 |
①下塗り、上塗りはなるべく同一メーカーのものを使用し、尚且つ双方の相性を考慮して塗装をする ②下地にラッカー等の耐溶剤性のない塗料で塗装した場合、上塗りも同種のものを使う ③下地は完全に乾燥する |
ブリッジング (被塗物の隅や側面に凸凹やブツができる) |
①過剰な塗料が未乾燥のまま、重複した場合 ②下地に油やホコリがついていた場合 ③塗布量のばらつき ④希釈シンナーの不適合 |
①下地を十分に乾燥し、一度の厚塗りを避ける ②下地の汚れは研磨などで十分に除去する ③スプレーガンの運行を正しくする ④シンナーの選定を気温、環境に合わせて見直す |
サッキング (垂れ、流れ) |
①吹き付けが不均一 ②塗膜が過度に厚いとき ③過度に薄めた場合 |
①スプレーガンの運行を正しくする ②必要以上の厚塗りは避ける ③塗料を薄めすぎない |
ピーリング (塗装面のめくれ) |
①被塗物の表面に油脂、水分、塵埃が付着していた場合 ②不良のラッカー等を下地に塗装していた場合 |
①素地を十分に清浄にして乾燥させる ②良品の塗料を使用する |
ピンホール (小気泡・塗面に小さな穴が空く) |
①スプレーときに水分や油分が存在する場合 ②塗料の乾燥を速めようとして、温度を高めた場合 ③一度に厚塗りした場合 |
①スプレー機の洗浄、エアーの水分、油分を除去する ②乾燥ときに温度を上げすぎない ③一度に厚塗りをしない |
クラッキング (亀裂) |
①下地を過度に厚く塗ったとき ②下塗りの乾燥不充分のとき ③下塗りと上塗りが互いに不適当であったとき |
①下地を適当な厚さに塗る ②下塗りの乾燥を十分にする ③上塗りと下塗りは同一メーカーのものを使用する |
ぺプリング (ブツができる) |
①塵埃の多いところで塗装をした場合 ②スプレーガンと被塗物の距離が離れすぎた場合:キリ吹き ③スプレーガンより固まった塗料が吹き付けた |
①塵埃のないところで塗装をする ②スプレーガンの距離は適当に保つ ③スプレーガンその他の洗浄を十分にする |
オレンジピール (蜜柑肌・ゆず肌) |
①過度の厚塗りをしたとき ②スプレーガンと被塗物の距離が適当でなかったとき ③シンナーの不適当なとき |
①適当な厚さに塗る ②スプレーガンの距離と吹付圧力を加減する ③シンナーの再選定をする |
ブリスタリング (塗膜の一部が下地から離れてふくれを生じる現象) |
①塗料と被塗物の温度差が大きく違っているとき ②塵埃や油脂の汚れで塗料の固着が悪いとき ③目止めが十分でないとき |
①温度と湿度に注意する(下地の乾燥を十分にする) ②素地を十分に洗浄すること ③目止めは完全にし、吹き残しも無いようにする |
ブラッシング (白化) |
①塗装時に高湿度のとき ②吹付け時と乾燥時の湿度差が大きいとき ③スプレーの圧力が高すぎるとき |
①乾燥した環境を選ぶ、またはリターダーを使用する ②湿度はできるだけ一定に保つ ③スプレーの空気圧力を適正にする |