木材塗料の基礎

木材塗料の基礎

08.着色について

8-1.色とは
 

最近の木工製品の塗装は使用される素材も多種多様で、更にその形状もかなり複雑化し需要者の嗜好も幅が広くなってきたために、木工製品に対する塗装仕様もかなり多様化してきました。
それ故、これらの木工製品に対する塗装工程の決定は塗料と塗装に関する更に詳しい知識を要求されてきます。
新しい塗料や塗装技術が次々と開発されている段階では、これらの知識を吸収するだけでもかなりの努力が必要でありますが、新技術を導入する前に、基本的な塗装技術を身につけていなければ、次へのステップが踏めません。

木材に着色を施す場合、どんな着色剤を使用し、またどんな色にするかという問題は木材塗装に関わる人の大きな関心事であります。
例えば、ある素材を与えられてその塗装設計をする時、どのような考えの基、着色剤を選択し、使用塗料を設定し、塗装工程を組み上げるのか、また反対に仕上がった見本板を見て、これはどのような着色剤を使用し、どのような塗装工程が組まれたものかを理解するには、一般的にはかなり長い経験を要するものと思われます。
まず、これらの問題を解くための手掛かりとなる着眼点について考えてみましょう。

【色を見る条件】
色は暗闇では見ることができず、光と物と目の存在によって認められる視覚の現象です。
色が認識されるまでの過程は、図1のように光源から放射された光が物体に当たり、そこで反射した光(又は透過した光)の一部が目に入り、
その光は目の網膜を刺激して、これによって生じた興奮が視神経の活動によって大脳に伝えられ、そこで色の感覚が生じます。そして、その情報が物体の色として認識されるのです。

【光の反射と吸収】
物体色は分光分布曲線で表すことができます。物体色とは、その物体が固有の波長だけを反射することによって表れる色です。この時、反射しなかった残りの光はどうなるのか。これは、図1のように、物体に吸収され、熱などのエネルギーに変換されます。冬には黒い衣服が白より暖かいのはこの結果です。

(分光分布曲線:光を波長成分にわけ、分光高度計を使い波長ごとにその成分の量を並べた時の曲線を分光分布曲線と呼びます。)

(図1)