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08.着色について

8-8.木材の着色技術
 

前項まで色材とステインについて解説いたしましたが、この項では、実際に塗装工程の中で、木材にどのように着色をほどこすのか勉強いたします。

【目的】
1)木材の固有色に着色をして一層美しさを引き出す
2)劣等材を貴重材や古材に似せる
3)木材色を一様に同一色になるように調整塗装する

【方法】
1)木地調整着色:木地に直接着色する方法で、目的としては生地の色むらを着色により抑え、均一な色合いになるようにする方法です。
この方法には主に水性着色剤を使用することが多く、水性で着色することにより、その上に塗装する溶剤系塗料に影響されない為、主に木材色にムラがある場合に色 を一様に調整することが可能です。また、仕上がりの色が特に濃色の場合には50%程度の補色の着色を行う場合もあります。

2)目止め着色:目止めを兼ねて着色する方法でこれにより木目が強調され、導管を鮮明に浮き立たせる事ができます。又、導管を埋めた様な仕上げにしたい時には、目止剤(NTX-M-520A)の様に導管に良く詰まるものを使用する事をお勧めします。
この着色方法は木材に直接色をしみこませることにより着色する方法であるため、濃色で着色すると木地の硬軟によりムラを発生することがあります。使用する着色剤は均一な着色を目指す場合は顔料系が向いており、逆に色ムラを強調する民芸調などのアンティークな仕上がりを目指す場合は濃色の染料系を用いると効果的です。

3)溶剤着色:木地に直接着色する方法で、ステインを溶剤で薄め、刷毛、ロールコーター(ゴムローラー)、スプレー等で木材に均一に塗布する方法で、木材を均一に着色する為に行います。また溶剤着色は、乾燥材に水分を含ませず、乾きが早いので、次工程までの時間が短縮できるメリットがあります。浸透性大で木理が鮮明に表現でき全体に均一に仕上がると言った特徴があります。
目的の色合いにより、染料系、顔料系どちらも使用できます。

4)塗膜着色:塗膜着色は木材に塗料の膜で着色するため、木材に着色フィルムを重ねたように、均一に着色することが可能です。
木理や導管をより鮮明に表現するためには、薄く着色するか、染料系ステインのような透明な着色剤を選定します。逆にある程度木地の粗を隠すためには、顔料系のステインを使用します。

【木材塗装の基本工程と着色剤の関係】

◆参考塗装工程
1.素地調整 #180~240ペーパー
2.木地調整着色 水性ステイン
3.目止着色 染料系着色剤、顔料系着色剤、目止着色剤
4.下塗り ウレタンシーラー
5.シーラー着色(塗膜着色) 染料系ステイン、顔料系ステイン
6.中塗り ウレタンサンディング
7.塗膜研磨 #400~600ペーパー
8.カラーイング(塗膜着色) 染料系ステイン、顔料系ステイン
9.上塗り ウレタンフラットン

◆仕上げ目的の違いによる素地着色と塗膜着色の使用比率
①素材(木質感)を生かした一般的な着色仕上げの場合(仕上がりの濃度を100%とした場合)

素地着色(70-80%着色) → 塗膜着色(20-30%着色)
②素材(木質感)を生かした高級な着色仕上げの場合

素地着色(50-60%着色) → 中間塗膜着色(20-30%着色) → 上塗り塗膜着色(10-20%着色)
③素材(木質感)を抑えた(和らげる効果)仕上げの場合

素地着色(10-20%着色) → 中間塗膜着色(50-60%着色) → 上塗り塗膜着色(20-30%着色)

木材塗料の基礎

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